沖縄地元民が食べてる”沖縄のお菓子”の作り方とおすすめのお店

沖縄観光に来た人にお伝えする情報として人気のお菓子やスイーツを調べてみると、パンケーキやタピオカドリンク、カラフルなかき氷などがSNS等から検索出来ました。
おしゃれで写真に残したくなりますよね!
沖縄で生まれ育った私にとっての沖縄のお菓子・おやつと言えば「黒糖味の素朴なお菓子」です。
せっかく沖縄観光に来たのならば、昔ながらの沖縄のお菓子も食べてみませんか?
今回は地元の人が昔から食べている沖縄のお菓子と作り方を紹介します。
目次
サーターアンダギー

言葉通りサーター(砂糖)+アンダギー(油で揚げたもの)という意味のお菓子です。サーター天ぷら(砂糖天ぷら)と呼ぶこともあります。
笑ったように割れた形から幸福を呼ぶお菓子とされお祝い事や行事に使われています。
サーターアンダギーの歴史は500年前の琉球王朝時代に料理人として働いていた人たちが中国に渡った際に「開口笑」というお菓子があり、そのレシピを持ち帰って作り始めたものがサーターアンダギーの起源になったと言われています。
最近では、お土産屋さんにも様々な味で並ぶことの多いサーターアンダギーですが、私が子供の頃は祖母が家族の誕生日や入学祝いなどのお祝いの日に野球ボールほどの大きなサーターアンダギーを大量に揚げて持ってくるのが恒例でした。私にとってサーターアンダギーは祖母の味です。
現在でもお祝い事には欠かせない大切なお菓子で特に結納の席には大きなサーターアンダギーが並びます。
サーターアンダギーの作り方
材料(10個分)
- 小麦粉 200g
- 卵 2個
- 砂糖(または黒糖)100g
- ベーキングパウダー 小さじ1/2
- サラダ油 小さじ2
- 揚げ油 適量
手順
- 小麦粉とベーキングパウダーをふるう。
- 卵と砂糖を混ぜ、粉と油を加えて混ぜ、冷蔵庫で30分寝かせる。
- 160℃の油で丸めた生地をゆっくり揚げる。割れ目が自然に開けば完成。
ポイント
焦げやすいので小さめに揚げるのがおすすめ。スーパーではサーターアンダギーミックス粉も販売されており、簡単に作れます。
サーターアンダギーおすすめのお店:琉球銘菓三矢本舗
琉球銘菓三矢本舗
恩納村に3店舗を展開する老舗の人気店。
ピンクマーリンクラブから最寄りのおんなの駅 なかゆくい市場店は車で約5分です。
限定の「あんこ入り」も評判で、午前中に売り切れることも。
- 価格:1個 約100円〜
- 営業時間:10:00〜18:00
- 定休日:なし
ポーポー/チンビン|黒糖の香りが広がる沖縄の伝統おやつ

沖縄で昔から親しまれているおやつ「ポーポー」と「チンビン」。
どちらも小麦粉ベースの生地を薄く焼いて巻いたお菓子ですが、材料や味わいが少し違います。
ポーポーはアンダンスー(油味噌)を巻いた甘じょっぱい味、
チンビンは黒糖入りの生地をそのまま焼いて巻いた甘い味が特徴です。
どちらも、旧暦5月4日の「ユッカヌヒー(子どもの日)」に、子どもの健康と成長を祈って作られる伝統行事食でもあります。
ハーリー(海の豊漁祈願)などの行事でも供えられ、沖縄の家庭に深く根付いたお菓子です。

豆知識:チンビンの名前の由来
黒糖入りの薄焼き菓子「チンビン」は、中国語で“煎餅(ジエンビン)”と書くという説もあり、沖縄の交易文化の名残が感じられます。
(参考:沖縄観光コンベンションビューロー/琉球料理文化伝承会)
ポーポーの作り方(油味噌を巻いた家庭の味)
材料(約6枚分)
- 薄力粉 200g
- ベーキングパウダー 小さじ2
- 水 300cc
- サラダ油 小さじ2
作り方
- 薄力粉とベーキングパウダーをふるう。
- 水を加えてゆるめの生地にし、サラダ油を混ぜる。
- フライパンで薄く焼く。
- 焼けたら、皮の3分の1にアンダンスーを棒状に置き、巻いたら完成。
アンダンスー(油味噌)の作り方
材料
- 豚肉(肩ロース)50g
- 白みそ(甘口)80g
- 砂糖 大さじ3〜4
- しょうが(みじん切り)小さじ1
作り方
- 豚肉をゆでて細かく刻む。
- フライパンに油を少し入れ、豚肉を炒める。
- 白みそ・砂糖・しょうがを加えて、ツヤが出るまで炒めれば完成。
アレンジ
ツナ缶を使うとより手軽に。パンに塗ってもおいしい万能常備菜です。
筆者コメント(地元目線)
小さい頃、祖母がユッカヌヒーの朝にポーポーを焼いてくれました。
台所に広がる黒糖の香りは、今でも忘れられません。
巻きたてのポーポーを頬張る瞬間こそ、沖縄の“家庭の味”そのものです。
観光での楽しみ方ヒント
地元スーパー(サンエー、かねひで)では、ポーポー・チンビンミックスが200〜300円程度で販売されています。宿泊先のキッチン付きホテルなら、旅先で焼き立てを体験するのもおすすめです。
楚辺ポーポー|読谷村に伝わる“ふわふわスイーツ”

読谷村・楚辺(そべ)地区で古くから受け継がれてきた「楚辺ポーポー」。
黒糖をたっぷり使った厚みのある生地を、ホットケーキのようにふんわり焼き上げるのが特徴です。
もともとは旧暦4月14〜15日に行われる「アブシバレー(畦払い)」という行事で、
楚辺地区を訪れるお客さんに振る舞われた“おもてなし菓子”でした。
炭酸飲料を加えてふっくら焼き上げるのがポイントで、地元ではスプライトや7upを使う家庭も多いそうです。
この独特の製法が「楚辺ポーポーならではの食感」を生み出しています。
豆知識:楚辺ポーポーの“門外不出”レシピ
昔は「娘は嫁いで外に出るから」との理由で、嫁にだけ作り方を教え、娘には伝えなかったといわれています。それほど各家庭が誇りを持って守ってきた“秘伝の味”なのです。
(参考:沖縄タイムス『読谷村に伝わる楚辺ポーポー』2023年記事)
楚辺ポーポーの作り方
材料
- 薄力粉 500g
- 黒糖 300g
- 卵 3個
- 牛乳 200ml
- 水 300ml
- 炭酸飲料 100ml(スプライトなど)
- ベーキングパウダー 20g
- サラダ油 100ml弱
作り方
- 卵・水・牛乳をよく混ぜる。
- 小麦粉・黒糖・ベーキングパウダーをふるって混ぜ合わせる。
- 炭酸飲料とサラダ油を加えてざっくり混ぜる。
- 弱火のフライパンでじっくり焼き、クルクル巻いたら完成。
ポイント
弱火でじっくり焼くと、表面が香ばしく中がふわふわに。
焦げないようにゆっくり時間をかけて焼くのがコツです。
楚辺ポーポーおすすめのお店
ぽーぽーとコーヒーの店 はっち
昔ながらの楚辺住宅街にある小さな人気店。
ピンクマーリンクラブから車で約20分。
細い路地の奥にあるため、事前にマップで確認しておくと安心です。
- 営業時間:11:00〜17:00
- 定休日:火曜・水曜
- 価格:1個 約200円〜
ぽーぽーの店 ひととき/JAゆんた市場
読谷村地域振興センターに隣接し、観光客でも立ち寄りやすい立地。
地元限定の「楚辺ポーポーミックス」もこちらで購入可能です。
- 営業時間:10:00〜18:00
- 定休日:なし
筆者コメント(地元民として)
楚辺ポーポーは、まるで“おばあの家の味”。
行事の日に家中に広がる黒糖の香りと、ふわふわの生地の温かさを思い出します。
観光で訪れる方にも、ぜひこの“地域限定の一枚”を味わってほしいです。
タンナファクルー|首里発祥・黒糖の素朴な焼き菓子

那覇市・首里発祥の焼き菓子「タンナファクルー」。
明治時代、菓子商を営んでいた丸玉製菓の創業者・玉那覇次朗氏が、宮廷菓子「クンペン」に倣いながらも、庶民が楽しめる黒糖菓子として考案したといわれています。
名前の由来も独特です。
「玉那覇(たまなは/方言で“タンナファ”)」+「色黒だった創業者のあだ名“クルー”(方言で黒い人)」=タンナファクルー。
この親しみある名前も、地元で長く愛される理由のひとつです。
タンナファクルーの作り方(家庭向け簡易レシピ)
材料例
- 小麦粉 100g
- 黒糖 80g
- 卵 1個
- ベーキングパウダー 小さじ1/2
作り方
- 黒糖を溶かし、卵と混ぜる。
- 小麦粉・ベーキングパウダーを加えてよく混ぜる。
- 丸く成形し、170℃のオーブンで約12分焼く。
外は少しカリッと、中はしっとり。黒糖のコクと香ばしさが口いっぱいに広がります。
購入できるお店・価格目安
販売元:丸玉製菓(那覇市牧志1丁目3−35)
- 価格:11枚入り 約648円(税込)〜
- 営業時間:11:00〜19:00(水・日休)
スーパーの和菓子コーナーや空港土産店でも購入できます。
那覇市の本店では、焼きたての香ばしいタンナファクルーを味わうことができます。
筆者コメント(地元の思い出)
小さい頃、祖母が「おみやげよ〜」と袋から出してくれたタンナファクルーの香りを今でも覚えています。
黒糖の甘い香りが台所に広がると、「ああ、帰ってきたな」と感じる瞬間でした。
それが、沖縄の家庭の温かさを象徴するお菓子だと思います。
まとめ|沖縄のお菓子は“地元の暮らしそのもの”
今回紹介したお菓子はどれも、沖縄の文化や行事と深く結びついた伝統スイーツです。
観光で訪れた際には、ぜひスーパーや地元のお店で“本物の沖縄のおやつ”を探してみてください。
旅の途中で味わう一口が、きっとあなたの沖縄の思い出をより豊かにしてくれます。









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